報道関係者各位殿
大相撲の八百長に関し、当協会参加企業にも携帯電話のデータ復旧の可能性や方法に関しての問い合わせが寄せられています。
この件に関し、日本データ復旧協会としては、次のようにお答えいたします。
「携帯電話の削除データの復旧を行えますか」とのご質問に関し、純粋に技術的観点からは可能です。しかしながら、携帯電話の場合、使用されているファイルシステムが一様では無く、製造元・機種などによってまちまちなため、全ての携帯電話が、どの業者においても、データの復旧が可能である保証はありません。
また、メール本文がキャリア会社のサーバーに保持されているとの情報もございますが、確かな情報を持ち合わせておりません。
更に、今回の事件で重要になるのは、復旧出来たデータが証拠として使用できるかどうかということです。大阪地検特捜部の事件では、日にちの改竄が行われていましたが、証拠として成立させるためは、復旧されたデータが消去される前のデータと同一であるという事を証明する必要があります。このようなサービスはをデジタルフォレンジックと呼ばれていますが、一般のデータ復旧と異なり、復旧結果や情報解析の正当性を示す報告技術が求められます。
今回の場合、警察にてどのような技術を使用し復旧したか、またその復旧結果が証拠として正しいのかに関しては、当協会は関知できる立場にございませんので、コメントは差し控えさせて頂きます
尚、データ復旧とデジタルフォレンジックに関して簡単な違いをご説明いたします。
データ復旧は、お客様からお預かりした媒体から復旧業者は内容に関しては一切関知せずにデータを取出し、別の媒体に記録して返却するサービスです。
一方、デジタルフォレンジックは媒体に入っている(削除済みを含む)データを分析し、御依頼主のご希望のデータに関する客観的な考察(改竄の有無、データの正当性など)をご報告するサービスです。
是非、この点をご留意され今後の取材にお役立ていただければと存じます。
以上